コンピテンシー:人事評価制度の評価要素

人事評価における評価要素には何があるか?

人事評価においてその評価要素には次のようなものがあげられます。

  • 成果/実績
  • 勤務態度
  • 勤続年数
  • 業績
  • 能力
  • 保有資格
  • 行動
  • コンピテンシー

弊社の推奨する人事評価制度はコンピテンシーによる評価を軸とする人事評価制度です。

このページではコンピテンシーについてご紹介いたします。

コンピテンシーとは「できる社員」の特徴

 

弊所が人事制度の枠組みとしての導入をお勧めするのがコンピテンシーによる評価制度です。

このコンピテンシーとはどういったものなのかについてご案内致します。

コンピテンシーとは、職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性のことです。

会社が求めるコンピテンシーは当然ながら役割・役職に応じて変化していきますので、役割や役職に応じてこのコンピテンシーも設定することになります。

コンピテンシーを明確にすることで、社員一人一人が会社から何を求められているのかが明確になります。

コンピテンシーの中身については、会社によって自由に決めていくことになりますが、弊所では以下のような要素から選択して頂き、評価基準を設定しております。

<コンピテンシーの要素例>

  • 誠実さ
  • 思いやり・気配り
  • 素直さ
  • ルール遵守
  • 自己啓発力
  • チャレンジ精神
  • ビジネスマナー
  • チームワーク
  • ユーモア力
  • 共感力
  • 営業力
  • 伝達力(報告・連絡・相談力)
  • 継続力
  • 情報収集力
  • 情報発信力
  • 成長意欲
  • 状況把握力
  • 企画提案力
  • クオリティ・スピード
  • 主体的な行動力
  • 忍耐・ハードワーク力
  • ストレス耐性
  • 柔軟な対応力
  • 顧客対応力
  • 専門知識力
  • 文章力
  • 論理的思考力
  • プレゼンテーション能力
  • ファシリテーション能力
  • トラブル対応力
  • チームへの動機づけ力
  • 創造的能力(クリエイティブ能力)
  • 目標達成力
  • 問題分析能力
  • 業務改善・効率化能力
  • 傾聴力
  • プロフィット能力(売上・利益達成力)
  • 計画立案力
  • 進捗管理(PM)能力
  • 計数管理能力
  • 人材育成力
  • 問題解決力
  • 目標設定力
  • 人脈力
  • 人材発掘・活用力
  • 戦略策定力
  • 交渉力・説得力
  • 組織運営能力
  • 決断力
  • 判断力
  • リーダーシップ

上記に加え、業界によって特殊な専門スキルを加えて検討をします。

例えば、IT業界でのSEの職種などは以下のような専門スキルをコンピテンシーに設定することもあります。

  • 設計・開発スキル
  • システム知識
  • プロジェクト運営力
  • プロジェクト管理力
  • プログラミング能力

コンピテンシー設定のポイント

  • 会社が期待していることは何かを明確にする
  • 既に活躍しているハイパフォーマーの行動要素を明確にする
  • 役職や役割ごとに何を求めるのか明確にする
  • 社員にどんな方向性で成長して欲しいかを明確にする
  • コンピテンシーを設定する数を増やし過ぎない

コンピテンシーを設定する際には、上記を参考に検討していきます。

コンピテンシー導入のメリット

コンピテンシーの最大のポイントは成果に繋がる、社員の"行動"にフォーカスを充てている点です。コンピテンシーを導入することで以下のようなメリットが生まれます。

 

1、成果が見えにくい管理系の部門においても適切な評価ができるようになる

営業系の職種などは営業実績などの数値、成果指標で評価ができるため、評価が比較的しやすいといえます。一方、管理系の職種では数字として評価できるものがないことも多く、また、全社・全体の数値をその人個人の評価に当てはめることに違和感が生じることがよく起こります。コンピテンシーでは、行動にフォーカスを当てることで、成果が見えにくい部署や職種においても評価ができるようになります。

 

2、社員の生産性をあげることにも繋がる

コンピテンシーは高い業績や評価される成果を出す人に共通する「行動の特徴・特性」を言語化したものです。

会社としては社員にできるだけ良いパフォーマンスを発揮して欲しいと考えています。

そこで、ハイパフォーマー(仕事のできる人)の行動特性を把握することができれば、好業績を出す方法がわかります。さらにパフォーマンスを出すための方法を一般化・標準化することができれば、従業員の生産性をあげることにも繋がります。

 

3、マネジメント層に「何が」具体的に必要かを明示することができる

中小企業における役職者の多くは、プレーヤーとして実績をあげたから、昇格し役職者となることが多いと言えます。

ここで問題なのは、プレーヤーからマネージャー層に昇格した後も、同じようにプレーヤーとしての職務を実行する人が多いことです。

会社からは、「マネジメント」をやるように指示がだされたとしても、では具体的にどんなことをすればいいかが明示されていないことも多いため、結局今までの延長線上で仕事をすることになり、プレーヤーから脱却できません。

この問題も、コンピテンシーを導入することで、「マネージャー層に必要なものは何か?」ということを会社が深く考え言語化することで、改めてマネージャーに求めることになります。

その結果、プレーヤーからマネージャーに昇格する基準も徐々に明確になり、プレーヤーの仕事とマネージャーとしての仕事が明確に区分されます。

マネジメントができる人が育たない、と嘆く方はぜひ一度、自社のマネージャー層に求める者が言語化され明確化されているかを考えてみて下さい。

 

4、採用選考のフィルターにも活用することができる

自社でハイパフォーマンスをあげる優秀な人材の行動特性が分かれば、採用選考にも活かすことができます。

たとえば、資格、職務経験、スキルといった面が不足する人材であっても、コンピテンシーと共通するものが見いだせれば活躍できる可能性は十分にあります。

 

5、社員に納得感のある評価ができるようになる

コンピテンシーを導入し、評価基準も明確にすることで、社員にとって納得感の高い評価を実施することが可能になります。

様々な論点がある人事評価において、まずおさえるべきポイントは「公平性」と「納得感」に尽きると考えています。

評価基準やゆるいか、厳しいかは会社によって異なりますし、評価の項目も会社によって異なります。

公平性と納得感があれば、社員は評価に対して不満を感じることもなくなるでしょう。

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