同一労働同一賃金に対応する人事評価制度の構築方法

同一労働同一賃金に関する悩み

  • 同一労働同一賃金の課題は認識できているが、給与体系などどうすればいいか悩んでいる
  • 給与以外の不合理な待遇差は解消できたが、給与については何から手を付ければいいかわからない
  • 給与の待遇差は正社員と非正規社員であっても仕方がないと考えており、社員が納得できる説明の根拠が欲しい
  • 不合理ではない合理的な待遇差により公平な処遇を行いたい

中小企業経営者、人事労務担当者の方、同一労働同一賃金に対してこのようなお悩みはありませんでしょうか?

同一労働同一賃金では、まずは変えやすい部分の福利厚生といった待遇差から手をつけ、賃金といったメインの待遇差はまだ手をつけられていない企業も多いものと推測します。

ここでは、同一労働同一賃金の最も大きなウェートをしめる賃金、特に月給部分の待遇差について、どのように法的要件をクリアしていくか、同一労働同一賃金にどのように対応していくのがよいかについて解説していきます。

賃金表、賃金テーブルを作るのが解決策の1つ

中小企業で同一労働同一賃金の課題を解決するためには、賃金表の作成から手を付けるのがいいです。

理由としては、賃金表を作成することで、正社員と非正規社員に待遇差があったとしてもその待遇差について説明がしやすくなり、説明する際の明確な根拠ができるからです。

本来、経営者の頭の中には、感覚的ではあったとしても、どういう役割、ポジションの人にどの程度の給与を支払うというのはイメージとしてはあります。

その頭の中のイメージをうまく具体化し、合理性や整合性を伴い形にしたものが賃金表になります。

賃金表の作り方は2パターンあります。

一つは、正社員と非正規社員で別々の賃金表を作成するパターンです。正社員は月給、非正規社員は時給などのように、給与の支給方法から違うことを想定すれば、別々の管理方法とすることには合理性はあります。

もう一つは、正社員と非正規社員を一つの賃金表でまとめて管理をするパターンです。

正社員と非正規社員では所定労働時間が異なるため、月給や時給に換算をした賃金表をうまく作成する必要がありますが、このパターンで全社員統一の賃金表を作成することができれば、明確な説明資料となります。

作り方の前者の正社員と非正規社員を別々の賃金表で管理をする場合の注意点としては、非正規社員については人事異動の範囲や職務内容や責任の範囲を明確にし、それらの差を考慮にし金額の差が合理的といえるような内容に設計する必要があります。

統一の賃金表を作成する場合に比べ、やや曖昧になってしまうのは否めません。

賃金表と人事評価制度、役割の明確化

賃金表を作成することができれば、それらの賃金表に当てはめて、評価をする仕組みも必要になります。

それが、人事評価制度となります。ある社員が入社した場合に、スタート時は賃金表のどの位置の給与となるのか?毎年の人事評価を行い、社員が昇格をした場合や非正規社員が正社員転換をした場合は、賃金表のどの位置へ上がるのか?

そういったことを仕組みとして整備していくことで、賃金表が生きることになります。

単に賃金表を作成するだけでは、社員を賃金表に当てはめること自体、好き嫌いや適当に当てはめることになってしまい、待遇差に合理性がそもそもなくなってしまいます。

そのため、賃金表には人事評価制度をセットとして考えるべきです。

また、人事評価の基準を作成するプロセスで正規社員と非正規社員の期待水準、役割、評価項目といったものを明確にしていきます。

このプロセスをへて、正規社員と非正規社員の役割や求めるレベルに明確な差をもうけることが、待遇差の合理的な根拠となります。

同一労働同一賃金を実現したイケアの事例

上記では、正規社員と非正規社員で待遇差がある場合に、その待遇差の合理性を整備していくというアプローチで同一労働同一賃金の解決を図るやり方です。

一方で、正規社員と非正規社員に求める期待水準、役割を同じにする代わりに、同じ待遇にする、という考えで同一労働同一賃金を実現した企業の事例をご紹介します。

この企業の事例は世界有数の家具販売チェーンであるイケア・ジャパン(以下、イケアと表記します)です。

イケアでは、2014年に人事制度が大きく改定され、同じ職務であれば、すべての従業員に同じ賃金が支給されるという、まさに真正面から取り組んだ「同一労働同一賃金」を実現しています。

イケアの人事制度の仕組みとしては、職務ごとにジョブ・ディスクリプション(職務記述書)があり、ジョブに対応して賃金レベルが決まり、賃金レベルごとに人事評価によって変動する給与レンジが設定されているという仕組みになっているようです。

これはまさに、ジョブ型賃金制度といえます。

この制度では、短時間正社員もパートタイマーもフルタイムの正規社員も同じジョブであれば時間給で同じ額になるように、設計されているという仕組みです。

とはいえ、同じジョブの人は全員同じ賃金かといえば、人事評価によって差をつけられるように給与レンジで幅を持たせている、という仕組みです。

なかなか日系企業ではここまでジョブ型の同一労働同一賃金制度を導入するのはハードルが高い気がしますが、外資系企業ならではとも言えます。

ジョブ型賃金にすれば、全員が幸せになるかといえば、私はそうは思いません。

例えば、賃金水準を同じにするからと言って、アルバイトやパートタイマーを選択する人は正規社員と同じ役割、同じレベルの責任を希望するかといえば、そうではない人もいるはずです。

同一労働同一賃金へのアプローチや考え方の正解は1つではありません。

企業ごとに、カルチャーも異なりますので自社に最適な評価制度、賃金体系は違うはずです。

社労士に同一労働同一賃金対応を相談したい

人事評価制度の作成と同一労働同一賃金への対応を合わせて行いたいというご要望がある場合は、社会保険労務士へご相談することをお勧め致します。

同一労働同一賃金の問題は、働き方が多様化してきている昨今、大きな課題になりつつあります。

特に、アルバイトやパートタイマーを多く抱える企業では、正規社員と非正規社員の雇用管理、人事戦略を改めて考える時期に来ています。

厚生労働省のガイドライン、各種裁判例、クライアントでの同一労働同一賃金の対応事例など、法改正に対応するノウハウを持った社会保険労務士に相談してみてはいかがでしょうか?お問い合わせはこちらからどうぞ。

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