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本日は、社会保険労務士の業務の中でも人事評価制度の導入と導入後の運用管理に力を入れられている、コントリビュート社会保険労務士法人の志戸岡代表にお話を伺います。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
人事評価制度と一言でいっても企業や状況によってさまざまなケースでの悩みや問題が考えられますが、今までどんな相談内容が良く寄せられましたのでしょうか?
まったく制度としてないので新しく入れたい、というご新規の企業もあれば、一旦人事評価制度を導入したものの、上手くいかない、しっくりこないのでリニューアルをしたい、という企業の両方あります。
人事評価制度を導入してもうまくいっていない企業もあるのですか?
はい。非常に多いです。弊社に相談に来られる企業様は人事評価制度の重要性を認識してはいるが、なかなかうまくいかない、というお悩みを持つ企業が多いです。
ある人材派遣会社が実施した人事評価に関する興味深いアンケートがあるのですが、社員側からすると、60%以上が自身の人事評価に不満をもっている、というデータがあり、多くの会社で人事評価は課題になっているという事実があります。
社員側にはそんなに高い割合で不満が生じているのですね。より具体的には、どういった点でうまくいかないのでしょうか?
うまくいかない原因はたくさんありますが、一番多く見かけるパターンが、やはり人事評価の評価基準が曖昧であること、という点です。
評価基準が曖昧で明確ではない場合、評価者の上司は部下に対する好き嫌いで評価してしまうことになったり、上司が替わると、評価が変わってしまうといったことが良く起きます。
上司の好き嫌いで評価が変わってしまうのは不満につながりそうですね。
先ほどご紹介したアンケートでも、人事評価に対して社員がどんな不満を抱えているかというと、次の3つがトップ3の要因になります。
①評価基準が不明確
②評価者の価値観や経験によるばらつきがある
③評価結果のフィードバック・説明が不十分、仕組みがない
このように、やはり、評価基準が曖昧であることが最も大きな不満の要因でもあり、うまくいかない要因となっています。
評価基準について問題が発生しやすいということはわかりました。さらに、その評価基準について伺いたいのですが、今までどういった事例がありましたか?守秘義務に反しない範囲で教えてください。
1つ具体的なコンサルティング事例をご紹介すると、100名規模の企業でも既に人事評価制度を過去に導入し、運用されていました。
お悩みを聞くと、やはり評価基準が曖昧でうまく活用が為されておらず、結局その会社では社長自身が最終的に評価を決定しているような状況でした。
曖昧の内容としては、例えば評価項目で「指導力がある」という項目があっても、何をもって指導力があるのかないのかの基準がない、という状況です。
評価項目が抽象的だと恣意的な運用につながりそうですね。
はい。一方で、必要以上に細かすぎる部分もあり、誰ももう見ていない、という資料もありました。
抽象的で漠然としていても問題ですが、だからといって細かすぎても運用しにくいわけですね。そんな中、志戸岡さんの事務所ではどのような解決策を実施したのでしょうか?
その企業様での事例での課題は、評価基準を明確にする必要がありましたので、部署ごとに成果を出すためにはどんな行動/能力が必要かを改めて考えてもらい、その内容を項目ごとにレベル1~5の基準を設定し、評価基準書を作成しました。
また、給与における年齢と勤続年数の配分が非常に大きく、この点を変えたい、という要望が経営陣にありましたので、人事評価の結果による「能力」の部分で昇給額も変わる仕組みに賃金制度を合わせて変える施策も実行しました。
制度をリニューアル後、どんな効果がありましたか?
まず、社員が自分自身の評価に対する納得感が高まり、評価に対する不満が減りました。
また、評価を行う管理職からみても、明確な評価基準があることで自信をもって部下を評価することができるようになり、管理職の立場からみても、運用がしやすい制度になりました。
結果として、先ほど述べた社長が感覚で評価を決定するようなこともなくなり、管理職がそれぞれ部下を評価した結果を、最終的に役員と管理職が参加する評価決定会議で微調整を行い、評価を決定する、という非常に納得感の高い人事評価制度になりました。
ところで、人事評価制度をうまく運用するポイントはどんなところになりますか?
自社の人事上、経営上の課題をまずはしっかり、分析することと、人事評価の評価者となる管理職層を本気にさせること、この2つが重要なポイントと感じております。
自社の人事上、経営上の課題をまずはしっかり、分析する。言葉では分かるような気がしても、実際の運用では難しい気がします。もう少し具体的に教えていただけますか。
これはそもそも論の話になるのですが、例えば、商品やサービスの販売が不振で長らく業績低迷し、いわゆる業界が衰退期にあるような場合、経営課題としてはどこでどのように戦うかというマーケティング上の戦略が最重要となります。このような状況では、人事評価制度を作成しても、戦う土俵が厳しいため、経営課題も解決しません。
個人的な意見にはなりますが、マーケティングや経営ビジョンの失敗は人事評価制度では取り戻せないと思います。
そういった会社では、やはり「売れる商品」、「売れるサービス」を開発して頂いて、そのあとに人事評価の仕組みを整備する方が順番としては合っています。
たしかに、人事評価制度を運用していくには、その前提として運用できるだけの状況をまずは整える必要があるということですね。ところで、先ほど仰っていた人事評価の評価者となる管理職層を本気にさせること、という点についても教えていただけますか。
どんな人事評価制度を入れたとしても、現場で一番苦労するのは、部下を評価し、育成する管理職の人です。
管理職の人が人事評価について「面倒臭い」というイメージをもち、あまり力を入れない状況になると、どんな制度をいれてもうまくいきません。
やはり、人事評価制度を効果的に運用するためには、管理職の人に部下を育成することがいかに会社にとって重要かを理解して頂き、その一環として人事評価に携わってもらう必要があります。
当然、そのための仕組みとして、部下を育成することを管理職層の重要な評価項目として入れる工夫も必要になります。
評価をする管理職側の悩みはどういったものがありますか?
よく聞く悩みが、プレーヤーとしての業務の時間が多く、マネージャーとしての部下育成のための時間が足りない、ということとフィードバックや1on1ミーティングの進め方がわからない、というものですね。
なるほど、プレーヤーとしての業務に時間を割かれると、それ以外にマネージャーとして活動するための時間は取りにくいですし、自分だけ余計な仕事を背負わされているような負担感にもつながってしまいますね。
ところで、志戸岡さんの事務所ではそういった運用後のサポートやフォローにも携わられているのでしょうか?
はい。制度導入後のサポートとして、導入初期の制度説明会や管理職向けの評価者研修を始めとして、フィードバックや1on1ミーティングに関する研修も実施しています。
最近ではフィードバックや1on1ミーティングがパワハラにならないように気を付けたいけど、どういった点に注意すればいいかわからない、どこまで指導していいかわからない、といった相談もよく受けます。
人対人の問題は、なかなか難しいところがありますね。
今の時代特有の悩みですが、パワハラを怖がり、必要な指導がし難くなったという声も良くきくようになりました。
会社だけでなく、スポーツや部活動でも耳にすることが多い話題かもしれません。
弊社では社会保険労務士法人としての特色も生かし、人事面だけではなく、こういったハラスメントなどの労務管理面も踏まえた研修ができることも1つの強みになっています。
最後にもう1つだけ。会社が人事評価制度に取り組もうと思ったとき、何から手をつければいいかわからないというケースもよくあると思うのですが、このような場合はどうすればいいでしょうか?
まずは相談して頂ければ一緒に考えます。
自社の人事上の課題を一緒に考えて、伴走しながら優先度の高い部分に手を付けていくのがいいでしょう。
人事評価制度に限っていえば、実際の社内の声を拾うために、アンケートを実施するのも良いですね。
1社1社おかれている状況が違いますのでまずは弊社にご相談頂ければサポートさせて頂きます。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
東京都千代田区のコントリビュート社会保険労務士法人のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。当法人では中小企業の人事評価制度作成、改定、運用のサポートを実施しております。
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