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求人媒体や紹介会社による採用選考にて採用を経験した会社では、一度はこのような採用のミスマッチを経験されたのではないでしょうか?
大企業、中小企業いずれにおいても、昔から採用のミスマッチはいたるところで発生しており、なかなかなくなりません。
弊社でもスタッフの採用を実施する際、このミスマッチにかなり苦労いたしました。
面接の時には求める人材にバッチリはまった!と喜び採用したものの、入社後実際に働き始めると社内カルチャーに合わない、求めるスキルレベル不足といったことは起こり得ます。
このページでは、この採用選考のミスマッチを予防するという観点で人事評価制度を考えてみます。
人事評価制度を採用の場面で活かすことを考える前に、まずはミスマッチとはどういう状況かということから考えてみます。
採用でのミスマッチとは次のような状況が起こることです。
(会社側が感じるミスマッチ)
(入社者側が感じるミスマッチ)
いずれにしても、双方が期待していたものから外れたものがギャップとして生じるものが採用におけるミスマッチです。
大手転職サイトのエン・ジャパンが実施したアンケートによると、転職者の4人に1人が「思っていたものと違った」という入社後のミスマッチを感じている、という調査結果事例もあります。
このことからも、採用のミスマッチは多くの会社で発生していることが分かります。
人事評価制度を採用の場面で活かすことを考える前に、そもそもなぜ採用のミスマッチが起こるのか?
そこには様々な原因がありますが、本質的な問題はお互いの「期待値とのギャップ」につきると言えます。
期待していたものが高ければ高いほど、現実も高いものが要求されます。
入社前の期待値と入社後のギャップはゼロにするのは難しいですが、いかにしてこの「入社後のギャップをなくす」かが、採用のミスマッチを解消することにおいては重要になってきます。
ではこの期待値とのギャップを生じる主な要素はどんな内容でしょうか?
弊社が考えるポイントは主に以下の点です。
・社風、カルチャー
・仕事内容
・給与体系、昇給、ボーナスの内容
・育成、教育制度
上記のいずれも、当然といえば当然ですが、ギャップを生む原因となります。
たとえば、社風やカルチャーでいえば、入社前には自由で風通しの良い社風と聞いていたのに、入社したら上下関係も厳しく、自由に意見を言えるような雰囲気がなかった。
仕事内容についていえば、専門的な仕事、クリエイティブな仕事内容に魅力を感じて入社したのに、入社後の配属で実際に任されるのは誰にでもできそうな単純作業になってしまった。
企業側にももちろん事情はありますが、こういったギャップ、あなたの会社ではありませんでしょうか?
これらのギャップの要因を掘り下げて考えてみると、次の2点に集約されます。
1、採用面接の場面では応募者も企業側もお互いに「いいかっこをしてしまう」こと。
2、入社までに会社が伝える情報が不足している(応募者側からすると、得られる情報が不足している)こと。
良い恰好をしてしまうのは当たり前ですね。
応募者としては、採用してほしいという思いがあるため、自分のことをいかに有能な人材であるかをPRします。
一方、優秀な人材が欲しい企業側も、自社が少しでも「いい会社」であるかをPRします。
そのPR合戦が採用の場であり、結果として多くの期待値とのギャップを生むことになります。
問題なのは、2点目の伝える情報が不足していることです。PRすることは採用面接の性質上、会社側ではコントロールもしにくい部分です。
一方、入社までに応募者にどういった情報を提供するかという点は、会社側でコントロールができます。
この応募者に伝える情報に、人事評価制度のエッセンスを取り入れる、ということが改善、解消の手段となります。
ここまで読まれた方はもうご理解いただいたと思いますが、期待値のギャップをなくし、採用でのミスマッチを解消するには、ストレートにたくさんの情報を提供することになります。
自社の状況を正直に書くと応募者が来ない・・・と考える会社側の気持ちもわかります。
しかし、情報不足や誤解があった状態で採用したとしても早期に退職、もしくはそのギャップが原因となりトラブルが発生する可能性を考えると、適切な情報提供をしていく必要があります。
人事評価制度を構築すれば、以下のような活用ができます。
1、求めるスキルレベル、評価される要素のすり合わせができる
企業が求めるスキルと応募者が求めるスキルが合っていないと、ギャップが生じてしまい、入社後お互いにとってマイナスになってしまいます。
中途採用者では、前職までの職務経歴を踏まえた期待値や前職での収入水準で給与水準が決定されることが多いです。
同じような職種、業界で働いていたとしても、求められるスキルレベルや業務範囲などは実はかなり会社によって変わります。
人事評価制度において、評価基準書があれば、採用面接の時点で、入社後の待遇、ポジションにより求められるレベルが明確になり、どういったレベルの仕事をすることが求められているのかが応募者に伝わりやすくなります。
2、「仕事の価値観」をすり合わせることができる
人事評価制度にはその会社の色が非常にでてきます。つまり、人事評価制度の中身を話すことで会社に合う人材なのかどうかの判断がしやすくなります。
人事評価制度の内容は、経営者・会社側が評価をしたい人材の中身が表現されています。言い換えれば、会社の価値観がわかります。
例えば、体育会系気質の上下関係が厳しい会社なのか、それとも、数字を第一に考えている成果主義の会社なのか、チームでの協力、犠牲新を大事にしている会社なのか、といったことがわかります。
評価制度の前提には、会社ごとの行動理念などもあります。
行動理念は会社が社員に“行動する上で大切にして欲しい価値感”になりますので、応募者としても自分に合う会社かどうかの判断がしやすくなります。
この部分の価値観は良い悪いといったものではなく、自分に合うかどうかというものです。
この価値観のマッチングを会社側が採用選考、面接の場のみでジャッジすることは困難と言えます。
そのため、応募者に価値観をヒアリングし確認するのではなく、会社側が積極的に情報を提供し、その提供された情報を元に応募者の方に「自分に合うかどうかをしっかりと吟味してもらい、納得してもらい入社することが非常に有効です。
3、育成、教育面でのギャップをなくすことができる
多くの人は、もっと成長したいという思いをもって、入社をしてきます。
人事評価制度の運用状況、上司の部下のフォロー、サポート方法や仕組みを聞くことで、応募者にどんな考えで人を育てているのかが伝わりやすくなります。
このように、人事評価制度を採用シーンに活用することで、ギャップ、ミスマッチを極力少なくすることができます。
勇気をもってマイナスなことも伝える。これが期待値とのギャップ、ミスマッチをなくす最善の策です。
企業側の心理として、採用したい気持ちが強くなるため、ネガティブな情報を提供するのは勇気がいります。
良いことばかりを伝えれば、応募者も増え、入社する人も増えるでしょう。
しかし、伝えるべき情報を隠してすぐに辞められてしまえば、結局マイナスです。
自社のカルチャーに合う人に入社してもらうには、必要な情報を正直に伝えることが、理にかなっています。
とはいえ、人事評価制度がなければ、必要な情報をうまく応募者に伝えることもできません。
応募者のこのような疑問に選考段階で伝えることができません。
結果として、認識のすり合わせが行われることなく、入社することになります。
いかがでしたでしょうか?
この記事でお伝えした通り、人事評価制度は既存社員の成長や育成に大きな影響を与えるだけではなく、これから採用する新しい社員にとっても良い影響を及ぼすことが可能になります。
ぜひ、人事評価制度の構築をご検討頂ければ幸いです。
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