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人事評価制度の本質的な目的は、社員の成長を促し、人材育成により企業の成長に繋げることです。
こうなると、気になるのは人事評価での良しあしが企業の業績にどう影響をあたえるか、また、どのような関係があるかということです。
例えば、総合的なS、A、B、C、Dという5段階評価を相対評価ではなく絶対評価で実施している企業があるとします。
ここで、人事評価がCやDなどの悪い人が多い場合、この企業の業績は悪いでしょうか?
逆に、人事評価がAやBなどの良い人が多い場合、この企業の業績は良いでしょうか?
答えは、わかりません。
本来であれば、人事評価がAやBなどの人が多くなれば、人材は育成されているという結果ですので、その結果が企業業績に反映されていけば簡単です。
しかし、現実はそう簡単ではありません。
なぜ、そう単純ではないのかの理由について見ていきたいと思います。
社員の成長は企業の成長にとってはなくてはならないものですが、それだけで業績が伸びるかといえばそうではありません。
マーケットの状況や景気動向にも左右されますし、経営者(役員)の戦略・舵取りが業績に大きな影響を与えるのは言うまでもありません。
よって、人事評価が良い会社でも業績が悪い会社がでてくることになります。
このことは、人事評価と賃金制度をどの程度紐付けるかという課題にも繋がります。
人事評価の中身に問題があることも考えられます。その1つが、評価項目の内容に問題があるケースです。
業績をあげるために必要な要素を設定したつもりが、実はそれらの能力や行動をしても、パフォーマンス・成果につながらないというものです。
簡単にいうと、努力する方向性が間違っているケースです。
どんな職種でも、成果を出すためには必要な要素や能力、行動がありますがこの部分のピントがずれてしまうと、例え良い評価の社員が増えたとしても会社業績に結び付かない(結びつきにくい)現象を生じます。
この場合は、人事評価の内容をどう変えるべきか?というチューニング・アレンジをする必要があります。
評価をするのは人ですので、人によって甘辛がでるのは仕方がありません。
ここで、もし社内の評価の尺度が全体的に甘い会社と全体的に辛い会社があったとしたら、どうでしょうか?
当然、評価の尺度が甘い会社では他社ではCやDの評価の人がAやBとなる可能性があります。
本当の実力がないのに、評価をする人の尺度が甘い場合にはマーケットで競争に打ち勝ち、成果を出すことができません。
そのため、人事評価は良いのに業績には結びつかないという現象が発生することになります。
この課題を解決するには、改めて成果を出すための(業績に貢献することができる)評価の尺度をチューニングする必要があります。
いかがでしたでしょうか?
人事評価制度と業績はリンクはしているものの、上記のような課題もあり一致しないことも多々あります。
もし、今あなたの会社で既に人事評価制度を導入しているのに、評価の内容と企業業績が一致しない場合は、何が原因かを突き止め、人事評価制度を改定、リニューアルするタイミングなのかもしれません。
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