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本日は、社会保険労務士の業務の中でも人事評価制度の導入と導入後の運用管理に力を入れられている、コントリビュート社会保険労務士法人の志戸岡代表にお話を伺います。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
社員の育成や評価に関する不満をなくすために、人事評価制度を導入している企業も多いと思いますが、実際に導入してもなかなかうまくいかないケースも多いと思います。
さまざまなケースに携わられている志戸岡さんの目から見て、うまくいかないケースの原因について教えて頂けますか?
はい。人事評価制度でうまくいかない原因はたくさんありますが、原因を分析していくと、大きくわけて「制度設計の面」での問題と「運用面」での問題の2つにわかれます。
制度設計の面での問題については、評価基準があいまいであるといったものですね。これはもう評価制度の仕組みを変えた方がいいという性質のものです。
もう1つの「運用面」での問題は、制度設計はきちんと設計されており、そこまで悪くないのにうまく機能していない、という類の問題です。
なるほど。制度設計面と運用面での問題・・・。どちらも興味深いですね。では運用面での問題についてもう少し詳しくお聞かせいただけますか?
具体的にはどんなことが原因で問題が生じるのでしょうか?
はい。運用面でのうまくいかない原因にも様々なものがありますが、典型的なものが部下を評価し育成する管理職側の問題があります。
実は、日本の企業の管理職はマネジメントについてしっかりと勉強していきている人はほとんどいません。
多くの会社では、プレイヤーとして実績をあげて、いい評価を得た人が昇進/昇格し、管理職へと登用されていきます。この時に、管理職になった人は、自分なりに創意工夫してプレイヤーとして実績をあげるコツは体得しています。
一方で、人に育成や指導を含めたマネジメントの方法といえば、自分を指導してくれた上司の方法しか知らないのが実態です。
そして、残念なことにその上司もきちんとしたマネジメントを勉強してきているわけではないので、個人差が恐ろしく大きくなり、極めて再現性が低くなります。このようにして、日本企業の管理職は、マネジメントができないほとんどプレーヤーの管理職が増えていきます。
こういった企業に人事評価制度をいれたとすると、どうなるかといえば、結局は、自分の今までの経験に基づいた、指導はこうあるべき、という主観に基づく指導や育成を部下に行うことになります。
なるほど…。なんとなく、わかる気がします。
でも、それは管理職の責任なのでしょうか?今まで教えられてきたこともないのですから、自分の過去の経験に基づいて指導してしまうのは仕方がない気もします。
それが問題といわれると、管理職の立場の人からすると厳しいですね。
そうなんです。管理職の人にはきついです。
私の感覚値でいくと、日本の中小企業の90%ぐらいは、マネジメントよりもプレーヤーの仕事の方が多いプレイングマネージャーです。
現場で実務をしながら、部下の育成を行う役割を担っていますので、業務負荷も大きくなってしまいます。
そのため、なかなかゆとりをもって、部下を育成するための時間が取れないといったケースもよく起こり、そういった状況に輪をかけて、正しいマネジメントや指導の方法がわからないという状況があります。
例えば、部下と上司が1対1で面談を行う巷で流行っている1on1(ワンオンワン)という手法があります。
この1オン1という制度1つをとっても、実施する管理職のスキルとマインドによっても、プラス(薬)にもなればマイナス(毒)にもなります。
マネジメントの能力がない人がやると「圧」をかけるだけのミーティングになり、逆効果にもなります。
かといって、ではやらなくてもいいかといえば、絶対にやった方がいいです。
人事評価制度を運用していくうえで、上司と部下の面談は評価だけではなく、様々な場面でのフィードバックなど、運用面で非常に「重要な場」であるといえます。
しかし、この面談を「誰」がやるかは非常に重要で、誰でもできるとも思いません。
確かに…。言われていることは、わかる気がします。
教え方が下手な人や自分はできる人ができていない部下に指導するのは、詰められそうです。パワハラにも注意が必要な気もしますね。確かに運用面、難しそうですね。
人事評価制度を導入しても、運用面が課題となり、うまくいかないケースがある。
そして、うまく運用するためには管理職がポイントになることは理解ができました。では、そういった運用面での課題がある会社はどんなことに力をいれていけばいいかを教えて下さい。
いい質問ですね。ここからが本題ですね。
管理職の方々がキーマンになりますので、管理職向けの研修をどんどん実施することを私はおすすめしています。
多くの企業では新入社員や若手社員向けには研修のカリキュラムや機会を用意しているのに、管理職にはそういった機会があまりないのが実態です。
これは、管理職は日々忙しいため、なかなかそういった時間がとれない、といった状況も影響しています。
管理職は経営者と一体となり、メンバーのマネジメントを行いつつ、プレイヤーとしても数字をあげるプレイングマネージャーです。
メンバーの育成責任も負っており、人事評価はもちろん、FB(フィードバック)や1on1なども求められています。
管理職向けの研修でフォーカスをあてて欲しいのは、他の人はどんな教え方をしているのか、という管理職の横のつながりやノウハウを共有することと、マネジメントの方法のセオリーを学ぶことです。
横のつながりとセオリーですか。
それぞれについてもう少し詳しく聞かせてもらえますか?
はい。まず、横のつながりですが、管理職になる人はそれぞれそこに至るまでの経験が当然、人によって異なります。
また、人によってコミュニケーション能力や伝え方などでうまい人、慣れていない人、経験が豊富な人、あまりない人など多種多様です。
実は、多くの会社では、管理職同士は、他の部署の管理職の人のマネジメントや部下のフォローといったことに対して情報交換をしていません。
これは様々な理由があるとは思いますが、一番は「そういったことを話す機会がない」ためだと私は考えています。
この「話す機会」を「研修」でつくっていくのがやはり管理職をサポート/フォローするうえで大事です。
それも、インプットよりもアウトプットが大事ですので、成功事例、失敗事例をみんなでシェアするのがいいですね。
ディスカッションやシェアを行ううえでは、ファシリテーションに長けた人がいると、会議の場がうまく温まり、色んな意見交換ができます。なお、こういったディスカッションでは何が「正解」かを求めるよりも、管理職の方が何かしらの「気づき」を得て自身の職務に活かすことができるようにすることが大事です。
こういったことを話す場を作ることで、結果的に管理職仲間の一体感も増します。
確かに。そういった管理職向けの研修があれば、めちゃめちゃ勉強になりそうですし、指導経験が少ない管理職にとっては、うまくいっている人のコツを聞いて、自分にもできそうな部分を取り入れて、うまくマネをしていくことで教え方が上手くなりそうですね。
もう1つのセオリーの方がどうですか?
はい。時代とともに、教え方のトレンドのようなものも変わってきていますので、管理職もマネジメントや教え方に関して色んな考えや知識を一緒に勉強していきましょうというものです。
例えば、最近ではコーチングやアンガーマネジメントといった技術が有用とされています。
また、言葉では1オン1というものを聞いたことがあっても、この1オン1を改めて勉強したことがある人もほとんどいないでしょう。
こういった、今まで勉強してこなかった考えや知識を管理職みんなで学び、目線を合わせ、認識のすり合わせを行うことも非常に重要です。
可能な限り、管理職によって、この人はやっているけど、この人はやっていない(できない)といった状況を解消していくのが会社の目指すべき方向であり、人事評価制度をうまくいかせるコツにもなります。
なるほど。うなずくことが多く、人事評価制度が制度だけ整えても、運用が問題になることがよくわかりました。
また、そういった課題に対して、何を実施するべきかもわかりましたが、管理職向けの研修を自社だけで完結するといったことは正直難しいとも感じました。
ここはやはり外部の力も取り入れながら、改善をした方がいいという考えですか?
社内で完結できるのであれば、無理に外部の力を借りる必要はないと思います。
ただ、なかなか社内だけでそういった知見や経験を持ち、研修までできるかといえば難しいと思いますので、そういった場合は弊社のような外部の専門家をどんどん活用していく方が改善が早く進みます。
弊社は制度設計だけではなく、こういった運用面でのフォローも対応していますので、何かお困りごとがあればぜひご相談下さい。
経営者、人事部の担当者としては非常に心強いですね。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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